弱さは強さに変わる?

2025/07/25

職場のこと

弱さを隠すことのリスク

人は仕事や人間関係において「強く見せなければならない」と思うあまり、自分の弱さを隠してしまいがちです。しかし、その取り繕いが心のバランスを崩す原因になることもあります。
ある企業にAさんとBさんという2人の営業マンがいました。Aさんは「うまく作成できなくて、すみません」と自分の至らなさを素直に認める一方、Bさんは「資料が揃っていないので着手できません」と責任転嫁してしまいます。一見、Bさんの方が堂々として頼もしく見えますが、数年後、Bさんはメンタルヘルスの不調で休職を余儀なくされました。
Bさんは「弱みを見せてはいけない」という強迫観念から、自分の弱さを認めることができず、エネルギーの大半を自分を取り繕うことに費やしてしまいました。その結果、精神的な限界を迎えてしまったのです。

弱さを認めることで得られる強さ

カウンセラーは言います。「強い人などいない。強く見せようとする人がいるだけだ」と。誰もが弱さを抱えているのだから、それを認め、さらけ出すことで心は軽くなります。
「自分は勉強不足なので、今度教えてください」と素直に伝えたり、「人から指摘されることに弱い部分があります」と認めるだけで、余計な力みが取れ、人間関係がスムーズになります。
弱さを受け入れることは、自分自身を大切にする第一歩です。

「人は誰だって弱い」と自分に言い聞かせ、自分の弱さを恐れずさらけ出すことで、心のストレスは軽減され、他者との関係もより豊かなものになります。自分を偽るのではなく、ありのままの自分を受け入れる勇気を持ちましょう。

引用・参考文献:心を守る33の見えないクッション うつにならない言葉の使い方/ダイヤモンド社/倉成央著