【中学生・高校生のみなさんへ】スマホを持つ、スマホを使うにあたって 理解して欲しいこと

2021/08/27

家庭のこと

目次

スマホの危険性を知っていますか?

中高生の皆さんの周りでは、多くの友達がスマホでSNSやゲームをはじめているのではないでしょうか。周囲の人が使っていると、どうしても自分も使いたくなります。友 達とのコミュニケーションに、スマホがどうしても必要だと思ってしまいます。でもほんとうに、スマホを使わないとコミュニケーションはできないでしょうか?
自分にとって、スマホを使うことがどれくらい必要なのか、使う前にぜひ考えて欲しいのです。

スマホを使うことで、ネットを通して多くの情報を手軽に知ることができ、勉強や友人とのコミュニケーションにも役立つ部分もあるのかもしれません。スマホはうまく使えば便利な道具だと思います。しかし、スマホは良いところだけでなく、危険な面もたくさんあることを知っておかなければなりません。

危険性・その1 スマホのコミュニケーションで人間関係がまずくなる?

スマホのコミュニケーションが逆に、人間関係をまずくする場合もあります。すぐに返信しないと、既読無視や未読スルーと誤解され相手を不快 にさせる、短い言葉のやり取りが、相手に誤解を与えてしまうなどはよく起きることです。また悪口拡散やいじめ被害に遭うリスクさえあります。さらに、SNSを長時間使う癖がつくと、スマホを持っていないときや、通信できない状況下で、イライラや不安を感じるようになってしまいます。スマホをチェックし続けていないと気分良く過ごせなくなるのです。

危険性・その2 やめられない、とまらない!スマホゲームは要注意!

そして、スマホゲームは特に要注意です。ゲームは、やり始めると抜け出せなくなる性質を持っています。ゲームに没頭するうちに、スマホを使う時間が徐々に長くなってしまい、気づくと多くの時間をゲームにさいてしまっている、ということも珍しくありません。スマホゲームのなかでも特に、シューティングゲームや多人数参加型ロールプレイングゲームなどは、はまり込んでしまうと現実の世界以上に面白くなってしまい、依存症のように抜け出せなくなってしまうことが多いのです。

危険性・その3 イライラする!集中できない!それはスマホの影響かも?

長時間のスマホゲームは、脳にダメージを与えてしまうと指摘されています。前頭前野の機能低下、報酬系といわれる脳の領域で異変が起きてしまいます。それによって、思考 力や集中力が低下する、感情のコントロールが難しくなる、不機嫌でキレやすくなる、元気がなくなってしまうなど、多くの影響が表れてしまいます。そうすると、勉強に集中できなくなったり、友達関係や家族関係がまずくなってしまうことにもなりかねません。さらに、スマホゲームは、次第にやりた い衝動を抑えることが難しくなり、より長い時間やらないと満足できないようになってしまいます。

一旦脳にこのような変化が起きてしまうと、自分でゲームをやめることが難しくなり、なかなか元の状態に戻ることが難しくなってしまいます。

スマホを使う前に、ぜひとも確かめて欲しいことがあります。それは、どうしても必要かどうか、そして何の 目的で使うのかということです。それをはっきりさせてスマホを使いましょう。もし、スマホを使わなくても大きな支障がないのであれば、高校を卒業するまでスマホを必要最低限以上は使わないほうが良いのです。スマホには、怖い面があることを理解しておいてください。

スマホを持つ、使うための4つのルール

でもどうしてもスマホを使わなければならない場合は、悪影響が出ないよう工夫をしましょう。

CHECK! スマホを使う 時間を決める
夜9時以降は使わない、一日の時間を保護者と決める

CHECK! スマホを使う 場面を決める!
歩きながら、食事中などは使わない

CHECK! スマホゲームは やらない。アプリは相談して決める
スマホゲームは やらない。アプリは相談して決める

皆さんにとって、現実世界の人間関係や、現実世界での経験は人間的成長のためにとても大切なものです。スマホのネット世界に引きずり込まれ現実と距離を置いてしまうことは、大事な成長の機会を失うことになってしまいます。

スマホを使うのであれば、それをキチンとコントロールし、勉強や趣味や人間関係をより充実したものにするための道具として、上手に使って欲しいと願います。

 

【資料提供】 倉成央(博士[学術], 臨床心理士) 中谷晃(精神科医) 【参考文献】「子どもがネットに壊される」(2018)Mary Aiken著, 小林啓倫訳, ダイヤモンド社 「スマホゲーム依存症」(2018)樋口進, 内外出版
作成・発行:株式会社メンタルサポート研究所

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