「悲しみ」や「辛さ」をおさえてしまわない

2023/07/25

自分のこと

生まれながらに備わっている感情

「悲しみ」や「辛さ」という気持ちも、向き合いたくない感情の一つかもしれません。
しかし、おさえているともっと悲しく(辛く)なったり、イライラした気分になったり、辛いことがずっと忘れられなかったりすることがあります。

「悲しみ」や「辛さ」をおさえるというのは、「こんな事は大したことじゃない。悲しむ程のことじゃない」と本当は悲しいことなのに、それを悲しいことと認識しないようにしたり、「悲しいことは早く忘れたほうがいいから、悲しいこと(辛いこと)は考えず、楽しいことばかり考えるようにしよう」と悲しむことを避け、別の気持ちを持つようにしようとすること等です。

 悲しい・辛い出来事に対して「悲しい」「辛い」という気持ちが湧くのは、とても自然なことです。私たちには、悲しい時には悲しいと感じる能力、辛い時には辛いと感じる能力が生まれながらに備わっています。

悲しみ上手になりましょう

悲しい時に悲しい気持ちをおさえずにそのまま感じることができれば、悲しい出来事はだんだんと自然に気にならなくなっていきます。しかし、これを、おさえたり、避けたりすると悲しい出来事はいつまでも忘れられないものとなったり、イライラ気分を感じる等、こういったあまり歓迎できないことになるのが私たちの心のようです。

生まれ持った力、悲しい時には悲しいと感じることによって、辛い出来事とお別れすることができる能力を発揮して、悲しみ上手になりましょう。

そのまま気持ちを感じてみてください

一人になれる時間に、ちょっと最近(昔もOK)を振り返り、悲しいことや悲しい気持ちはないか自分自身の中を探ってみてください。
そして、悲しいことや気持ちがあったら、「悲しいな。悲しい」とそのまま気持ちを感じてみてください。
もし、何が悲しいのか言葉に出来そうだったら、「●●で悲しい」と言ってみるのもOKです。

もし、向き合っても楽になっていかない悲しみならば、カウンセラーと一緒に向き合うのもひとつの方法です。

株式会社メンタルサポート研究所 代表 博士(学術)・臨床心理士 倉成央