2023/03/25
職場のこと
目次
対人関係がうまく行く人といかない人がいます。その違いは何でしょうか?
いろいろな要因が考えられると思いますが、その大きなポイントは自己表現が出来ること、つまりありのままの自分を表現できることです。
ありのままの自分を表現するというのは、自分の考えていること、そして自分の感じていることを表現できることです。
自己表現と一言で言っても、その中にも色々な自己表現のやり方があると思います。感情を抑えきれずに自分の言いたいことをまくしたてるように言うこともそのひとつ。
例えば、相手に対して怒りの感情を持って感情的に「ワーッ」と何かを言うときなどはそうかもしれません。
「何で俺の言った通りに資料を準備しておかなかったんだ。何を考えているんだ、お前は。バカ野郎!」こういう言い方も確かにひとつの自己表現と言えるかもしれません。
でも、この自己表現はおそらく対人関係を円滑にしてくれません。このセリフを吐いている人は良いかもしれませんが、それを聞いている相手に受け入れられるか否かを考えるとどうでしょうか?多くの相手は感情的に言っているこの話を受け入れることが出来ません。つまり一方的で相手に伝わらない自己表現です。
ここでは、こういう一方的な自己表現ではなく、相手にも受け入れられやすい自己表現を目指したいと思います。
自己表現ができれば良いとは言っても、誰でも自己表現が出来ているわけではありません。自己表現が出来ている人はむしろ少ないかも知れなのです。
自己表現が出来ない大きな理由、それは過剰な気づかいです。
相手を気づかって、自分がほんとうに言いたいことを言わないこと、または自分がほんとうに思っていることとは違うことを言ってしまうこと、これが過剰な気づかいです。
過剰な気づかいは、自己表現から自分を遠ざけると同時に、好ましい人間関係からも遠ざける結果になってしまうのかもしれません。
わかっているならばやめればいいのでしょうが、なかなか難しいものなのです。実際には、言いたいことがハッキリ言えるという人より、「私は言いたいことがハッキリ言えない」、つまり自己表現が出来ないという人のほうが多いようです。
そこで、これから皆さんの自己表現を改善していくために、あなたの気づかい度チェックをやってみたいと思います。
チェックリストの項目で、自分に当てはまるものにチェックしてみて下さい。
・相手の考えと違っても、ハッキリ異を唱えられない
・人が自分をどう思っているかが気になる
・誘いを断る時、他の用事があることにする
・自分が嫌だったことが後になってわかることが多い
・腹が立たない
・イイ人だと思われたい
・何かを断ることに、とてもパワーが要る
・議論をしている人達がケンカをしているように見える
・相手を嫌な気持ちにさせてはいけないと思う
・何か嫌なことがあっても自分が我慢すればいい
・嫌なことを言われても気にならなかった振りをする
・自分の考えを求められるとわからない
・調和が何より大切だと思う
・嫌われたらどうしようと思う
・怒っている人がとても苦手
・人が意見を言うまで、自分の意見は言わない
いかがでしょうか?
過剰な気づかいが多いと、自分自身にとってのストレスにもなります。
人間関係で気づかいというエネルギーを使い続けているので、人間関係が疲れるものになってしまいます。
あまり気づかいをやりすぎると、人と接することが嫌になってしまうかもしれません。
過剰な気づかいは自己表現の邪魔をすると述べましたが、自己表現が出来るようになると、過剰な気づかいも減ります。
過剰な気づかいをやめようと意識しても、気づかいは無意識にやってしまうもの。なので、過剰な気づかいをやめようと努力するより、自己表現を意識するほうが楽で早いかも知れないのです。
いい人すぎて”結果が出せない人”のための問題解決術/大和出版
株式会社メンタルサポート研究所 代表 博士(学術)・臨床心理士 倉成央